地球の子どもたち・3
路地裏の日躍学校
長倉 洋海
pp.274
発行日 1991年4月25日
Published Date 1991/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611903271
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高層ビルが林立し、日本車が走る首都ジャカルタ。幹線道路から子供たちの姿を探して脇道に入った。小さな家がお互いの軒先をぶつけるようにびっしり立ち並んでいる。路地裏をのぞくと、子供たちがいた。ちょうどイスラムの日曜学校が終わったところ。カメラを構えると、「私も」「ボクも」と殺到する。後ろのほうでは押されて、転んでしまつた子に笑い声がおきる。上からも子供たちの声が降ってきて、見上げると二階屋の窓から、「こっちも撮ってよ」と少年が声をかける。
住宅の一角を利用したイスラム学校。教室にはまだ、数人の子供たちが残っていた。先生に居残りを命じられたのだろうか。こっちを見ると照れ臭そうに笑った。
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