特集 ウィメンズヘルスケア
日本におけるウィメンズヘルスケアの展開—助産婦の立場から
成田 伸
1
1広島大学医学部保健学科
pp.383-387
発行日 2001年5月25日
Published Date 2001/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902641
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はじめに
国際人口・開発会議(1994,カイロ)で提唱されたリプロダクティブヘルス/ライツの概念は単なる生殖の健康や権利を意味するのではなく,「からだと性に関する女性の健康/女性の自己決定権」を意味する広い概念としてとらえられた1)。世界で一番の平均寿命や安定した経済状態の日本の女性であるが,自己決定による女性の健康の促進にはまだ多くの課題を抱えている。また,多様化している現代女性の生活状況を考えると,女性の生涯における健康管理はリプロダクティブヘルスを超えるものでなければならない。本特集のテーマであるウィメンズヘルスケアはその意味で,女性の総合的な健康支援を目指すものである。
助産婦は,その専門性を妊娠・出産・子育ての場に限らず,女性の健康全般に対して発揮できる専門家である。しかし,現実には助産婦の活動の場は妊娠・出産周辺に限られており,またその専門的能力のトレーニングも周産期周辺に集中しているのが現状である。
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