特集 タッチケア(上)
総論:タッチケアへの流れとその理解
橋本 武夫
1
1聖マリア病院母子総合医療センター
pp.101-105
発行日 2001年2月25日
Published Date 2001/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902579
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はじめに
東洋では古くから,助産婦が妊婦をマッサージし,母親は赤ちゃんをマッサージしてきました。インドやインドネシアでも,赤ちゃんへのマッサージは伝統的に習慣として行なわれてきました。わが国でも母子が一体となり,子は母に抱かれ,なでられ,母は子に語りかけながらの“べったり保育”と呼ばれるような育児が行なわれてきました。
歴史的には,中国では紀元前2000年,エジプトでは紀元前1200年前から行なわれており,医聖と称されるヒポクラテスも「医者は何よりもマッサージにたけていなければならない…」と述べています。すなわち,マッサージは自然かつ当然のこととして,また治療の一部ともされ,日常的に行なわれてきたものなのです。
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