今月のニュース診断
「性の商品化」をめぐって—私たちは何を・どのような視点から問えばよいのか
加藤 秀一
1
1明治学院大学社会学部社会学・性現象論
pp.6-7
発行日 2001年1月25日
Published Date 2001/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902558
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児童買春・ポルノ禁止法
「児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」,いわゆる「児童買春・児童ポルノ禁止法」が2000年11月1日に施行されてから,同法に基づく摘発事例が相次いでいる。施行後まもなく,神奈川県で私立中学校教諭が買春容疑で逮捕されたのを皮切りに,ざっと挙げただけでも,今年1月には埼玉県で,8月には高知県で,それぞれ買春容疑で逮捕者が出ている。また今年2月には埼玉県で児童ポルノを販売していた男が,11月にはタイで少女たちを使って製造したポルノ・ビデオを日本国内で販売していた業者が摘発された。
同法は長らく児童買春を野放しにしてきた日本社会に対する欧米各国からの批判に応えるために急造されたものであり,必ずしも日本人が自発的に整備したものではない。それゆえ,法律の内容に見合うような児童保護の精神が私たちの性文化に根づいているわけではなく,それゆえ今後も同法による摘発は後を絶たないだろう。
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