特別寄稿
助産婦はなぜ,女でなくてはならないか
田島 恵子
1
1めぐみ助産院
pp.1066-1071
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902548
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はじめに
日本助産婦会はこれまでの男性への門戸開放反対の方針を転換,本年3月に書面による代議員会を開催し,「助産婦職の男性への対象拡大」を決定しました。私は「妊産婦の人権を保障するため,男女どちらに助産を頼むか,選択の自由を確保できるよう,付帯決議の設定を含めて要求していく」(朝日新聞5/9)と方針転換したことを新聞で初めて知りました。これほど重大な決定を,私は会員であるにもかかわらず,日本助産婦会から知らされていなかったこと,しかもそれを決定後時間が経ってからマスコミを通して知ったことは,二重のショックでした。が,一時は「男性助産婦が法的に認められてしまっても,現場の淘汰の中で有名無実化していくだろう」と所属組織の決定を受け入れようとしました。
しかし,日本の助産婦が直面している問題を知るうち,考えるうちに,「男性助産婦」が淘汰される前に「助産婦」が消滅してしまうのではないかと,危機感を抱くようになりました。それで,この問題を助産婦である私自身のこととして考え始めました。
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