連載 いのちの響き・5
イルカのアップリケ
宮崎 雅子
pp.364
発行日 1999年5月25日
Published Date 1999/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611902159
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終電で私が到着した時に,孝子さんはお風呂場で動けぬまま,バスタオルを何枚も身体に巻き付けて横たわっていた.急展開の模様に少し私は驚いて,傍らの医師と助産婦に状況を聞く.ここまでくるのに数日を要したからだ.
そのうち,お風呂の中にドボン.孝子さんはやっと余裕を取り戻し,最後には笑みさえ浮かべながら赤ちゃんを湯船の中に産み落とした.
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