特別寄稿
地域母子保健を担っていくために助産婦(開業・市町村・病院)はもっと連携しよう
加藤 尚美
1
1杏林大学保健学部看護学科
pp.698-704
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901994
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はじめに
母子保健サービスは従来保健所で行なわれてきたが,平成9年度から市町村に移譲され,10年度からは,その予算措置も地方公布税化された。この改革は住民に身近な市町村で,母子の一貫した保健サービスの提供を目指して行なわれたものである。この改革は地域で開業している助産婦や市町村で働く助産婦の活動に影響を及ぼすことは必至である。
しかし,地域によって母子保健サービスのありようが異なってくるのではないかと心配するのは筆者だけではないと思う。助産婦をとりまく状況は,年々助産婦が高齢化し地域で働く助産婦が少数になってきているとはいえ,最近では女性のなかに家庭分娩の希望者も出てきており,それに応じて若い助産婦で開業・自立を目指す人が出始めている。また,病院等施設で働く助産婦のなかには自らの業務を見直し,退院後の褥婦のニーズを満たすことや,やりがいを見つけ,地域への活動として新生児訪問指導に取り組み始めている人もいる。
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