インターホン
もっと保健所に助産婦を!
小林 玲子
1
1信州大学助産婦学校
pp.45
発行日 1967年2月1日
Published Date 1967/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611203347
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助産婦学生として,早半年が過ぎ今までの半生を無性に振返ってみたくなる今頃である."助産婦"なんだか,まだピンとこない.時々,友だちから"どうして助産婦になんかなるの?"と聞かれるが,私の答はいつも簡単で"私の性に合っているんだもの"といとも自慢そうにいって入学したものだった.しかし助産婦業務,教育概要を実際にやってみて,思ったより甘いものでなく,基礎的な知識を学んでいる現在,これらのことが強く感じられてきた.それと同時に,この大変な仕事をあまりにも自分の職種の中にとじこもりすぎていて面白くないと思う…….
このことは,1カ月前当地のM保健所に実習をした時に痛感した事柄である.保健所の業務を短期間に見学しただけでも,随分広範な範囲でしかも高度な知識を要求されているし,大変だと思った.がどうだろう保健婦にしても助産婦にしても同じ教育期間を経て,なんら特別変わった職種とも考えなれない.助産婦にしても産科学をはじめ,小児科,公衆衛生,心理学,医療社会学等々の教育は受けているはずなのに,これらを果たして有効に利用されているだろうか.一般の人たちに助産婦の仕事は何か問うと必ず,お産にたずさわる人物としか思ってくれないが,私は現在の助産婦の働く場所(立場)をもう一度考える必要があると思う.
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