特集 こどもの虐待を防ごう
周産期からみた虐待発生予防
稲佐 郁恵
1
1大阪府立母子保健総合医療センター母性外来
pp.661-666
発行日 1998年8月25日
Published Date 1998/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901988
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はじめに
現在,当大阪府立母子保健総合医療センターでは,母性外来において,虐待ハイリスク母の発見に努めフォローしている。ハイリスク母はリスク別に,スタッフが適切に対応できるようカルテにシール表示をしている。ハイリスク母の多くは初診の段階で発見可能であるが,分娩に至るまで発見できないケースもある。外来で発見された場合は,その都度分娩部・病棟へも患者を紹介し,分娩・育児期の注意点等について情報伝達している。発見されるケースではすでにMSW(メディカルソーシャルワーカー)や保健婦が大方関与しているが,後に発見されたものはできるだけ早期に心療内科医,発達心理医,産科医,看護者,MSW等の関係スタッフと連携しあっていく。
分娩部では,外来で発見されたハイリスク母について継続観察を行なう。アタッチメントの状況や分娩へのとりくみが主体的であったかどうか等について評価し,病棟へ情報を送る。
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