特集 切迫早産—最近の治療とケア
PROMの新しい予防法—助産婦による腟内消毒
五十嵐 正雄
1
1群馬大学・群馬中央総合病院
pp.592-596
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901973
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
PROMで生まれた児の予後
妊娠中定期的に検診したり,保健指導していた妊婦が突然破水して入院してくることが時々ある。このような前期破水(premature rupture of the membrane,PROM)は決して稀ではなく,妊婦の6〜10%で起こる。この時,胎児が十分発育していて子宮外生活が可能なら問題はないが,34週未満のpreterm PROMの時は,妊婦本人と家族はもちろん,産科医も助産婦もがっかりしてしまう。
PROMの約50%は24時間以内に陣痛が開始して分娩になり,流早産になる。残りでは陣痛は起こらないが,羊水の漏出が続き,そのうちに遅かれ早かれ細菌が腟内から上向性に子宮内に入り,発熱や下腹痛が起こり,膿性の羊水が流出するようになる。こうなると立派な羊膜炎ないし絨毛羊膜炎であり,胎児もしだいに仮死状態になりやすいので,急速遂娩が必要になってくる。流産になれば児は死亡するし,34週未満で生まれた児は極小未熟児か未熟児になってしまう。
Copyright © 1998, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.