特集 CTGに強くなる
CTGの判読法:CTGによる胎児心拍モニタリングとその実際
福家 信二
1
,
神崎 徹
1
,
光田 信明
1
,
村田 雄二
1
1大阪大学医学部産科婦人科学
pp.190-195
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901892
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はじめに
胎児仮死の診断法の歴史を振り返ってみると,子宮内胎児心音をトラウベ聴診器で直接聴取する方法から発展し,ME領域での技術革新に伴い,マイクロフォンで胎児心音を聞く方法,さらに胎児心電,超音波ドプラ法へ発展し,持続的な胎児心拍の記録が可能になり,同時期に陣痛強度の計測が可能となり,胎児心拍と子宮収縮の状態を同時に測定できる分娩監視装置の登場によりカルジオトコグラム(cardiotocogram,CTG)の記録が可能になった。
その後CTGの研究により,頻脈,徐脈,細変動の減少・消失などの胎児心拍数の変化と胎児仮死(fetal distress)との関連が検討され,胎児のwell-beingを推定することが可能になった。このため現在の周産期医療の現場では,欠くことのできない重要な検査法となっている。したがって,このCTGパターンを正確に理解し,胎児環境を判断できることは,妊婦と接する機会のある医療従事者にとって必須のものである。
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