特集 産痛の解明とケア
麻酔分娩の方法
谷 昭博
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.778-780
発行日 1997年9月25日
Published Date 1997/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901782
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
和痛法の必要性
核家族化,少産傾向の時代となり,女性が分娩にかかわることが本人の分娩だけに限られるようになり,産婦が陣痛,分娩へ抱く不安は増大している感がある。
この不安や子宮収縮による痛みが過度な場合,以下の3点により胎児仮死の誘因となる。①カテコラミン産生を増加させ子宮胎盤血流量を減少させる。②過換気になり低炭酸ガス血症となるが,収縮間欲期に呼吸刺激が消失すると一時的な低換気となり母体は低酸素状態になる。③呼吸性アルカローシスの結果,母体の酸素解離曲線を左方移動させて胎児への酸素供給が減少する。
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.