今月のニュース診断
受精卵遺伝子診断の臨床研究—これから議論されるべきこと
斎藤 有紀子
1
1埼玉県立衛生短大生命倫理・法哲学専攻
pp.278-279
発行日 1997年4月25日
Published Date 1997/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901682
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97年2月10日,受精卵の着床前遺伝子診断を日本産婦人科学会が「歯止めをかけながら」承認する方針であることが明らかにされた(97年2月10日共同通信「受精卵遺伝子診断,承認へ」)。
受精卵着床前遺伝子診断(以下着床前診断)は93年に鹿児島大学が臨床応用を学内倫理委員会に申請して以来,社会的論議を呼び実施が見送られてきた。ここで学会が正式承認すれば,出生前の生命を「生殖細胞レベル」で選別する技術が日本で初めて認められるためその成り行きが注目されていた。
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