特別記事 母乳トラブルの解決—さまざまな試み
1.保冷剤を使用した乳房冷罨法の工夫
松本 智子
1
,
東森 優子
1
,
森本 七重
1
,
足立 孝子
1
,
伊塚 弥生
1
1公立豊岡病院産婦人科病棟
pp.590-595
発行日 1996年7月25日
Published Date 1996/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901513
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はじめに
産褥2〜3日目に起こる乳房トラブルの中で,乳房うっ積と乳汁分泌過多は褥婦にとって苦痛の強いものである。根津1)は苦痛を緩和するために冷罨法をすることを評価し,産褥期の乳房管理を車の運転にたとえて,アクセルとブレーキの必要を述べ,「ブレーキである冷罨法は熱容量の高いアイスノンなどの冷却剤を使用するとよい」と述べている。
冷罨法は快適で効果的なものが求められており,御飯・ジャガイモ湿布・氷嚢・湿布剤などいろいろなものが使用されている。しかし作成に手間がかかる,繰り返し使用できない,かぶれやすい,臭いが気になる,乳房の形に合わないといった問題が残されている。
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