特集 「助産士」を考えよう
新しい思想としての「助産士」
山崎 裕二
1
1日本赤十字武蔵野女子短期大学(教育学・教育史)
pp.530-536
発行日 1996年7月25日
Published Date 1996/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901502
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はじめに
1993年保健婦助産婦看護婦法の一部改正により,わが国初の保健士が翌94年に誕生しました。看護職は女性の(あるいは女性にふさわしい)仕事とする性別分業的職業観に対して,“男女平等”思想からの見直しが一歩進んだといえます。これで保助看法の中では助産婦だけが男性に開放されない資格であり職業になりました。私たちにとって「助産士」とは,まだその存在の意味を問い続けなければならない思想(イメージや論理)のようです。
そこで本稿では,まず,「助産士」論の全体像を理解するために,賛成論と反対論の論理分析を行ない,それぞれの拠って立つ思想についてその特徴と問題点を考察します。そのうえで,賛否両論を越えた観点から,「助産士」という新しい思想の可能性について考えてみようと思います。
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