連載 とらうべ
「あと30gだったのにねえ……」
加藤 さよ子
1
1マザーズクラブつぼみの会
pp.963
発行日 1995年12月25日
Published Date 1995/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901364
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私は今年の2月に初めての子を家庭出産しましたが,すばらしい助産婦さんと産婦人科の先生に出会うことができ,とても満足のいくお産をすることができました。その際,なによりも大切だと感じたことは信頼関係を築くということでした。育児も同様で,これから何年も続けてゆく一大事業ですから,指導者の方とよりしっかりした信頼関係を築いていかなければと思っていました。
しかし,ちょうど7か月になったばかりの娘を,近くの小児科医に健診に連れていったところ,「あと30gだったのにねえ……」と体重・身長を計られ,先生は残念そうにおっしゃいました。7kgまであと30g。娘の体重は6970g,身長は63.5cmと標準よりもだいぶ小さめでした。そしてすかさず粉ミルクを足すように指導されてしまいました。「えーっ粉ミルク?離乳食もよく食べ母乳もよく飲んでるのに,なぜ?」私は予想だにしなかった先生の言葉に絶句してしまいました。
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