連載 とらうべ
立ち会い人のまなざし
袰岩 ナオミ
pp.707
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901311
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昨年12月号の本誌特集「再検証・佐藤由美子さんの出産体験」を読んだ時,こどもを産んだこともないわたしが共感できたのは,そこに提示された事柄が,わたしが日々,異文化コミュニケーションの現場において直面する課題そのものであったからだろう。それらをざっと列記すると,
1)当事者の身になって考える
2)嫌なことは嫌といい,わからないことは,わからないと伝える勇気と技術を持つ
3)選択肢をひろげる
4)思い込みを確認しあう
5)自分の不安解消のために相手になにかを押しつけないなどが挙げられる。
これらは,そのまま,出産する側と,それをサポートする側とに求められる一種の「異文化コミュニケーション技術」ともいえるが,今回は,その詳細を論じるかわりに,これらを支える,技術以前の問題についてふれたい。
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