MEDICAL SCOPE
生殖免疫学の進歩
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.345
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901233
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生殖現象に関わる免疫学のことを「生殖免疫学」と言い,日本では日本生殖免疫学会という学会もつくられているのを皆さんは知っていますか?声まり私たちの間では知られていない存在のようですが,もう第9回の学会も開催されており,非常に進歩・発展の目ざましい分野として注目されているのです。生殖医学には多くの免疫現象が関わりあっていることはご存知のとおりですが,古くはRh式血液型不適合妊娠による胎児溶血性疾患などで有名でした。最近になっては,,不妊症治療の分野で精子に対する免疫,精子免疫という言葉も登場し,その治療も可能になってきましたし,これを逆に利用して避妊対策に応用しようという試みも出てきました。
しかし,何と言っても産科周産期医療での生殖免疫学の今日的話題は「抗リン脂質抗体症候群」についてでしょう。昨年12月に開かれた第9回の本学会でも大きくこの話題が取り上げられました。その内容をこの短い紙数ですべて紹介するのはとても無理ですが,ごく一部の新しい考えを述べてみます。
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