MEDICAL SCOPE
産婦人科での腹腔鏡下手術
島田 信宏
1
1北里大学医学部産婦人科
pp.527
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901047
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腹腔鏡(Laparoscope:ラパロスコープ)が私たちの産婦人科の診療に取り入れられてから,もう20年の歴史があります。一時は一般外科領域より多く産婦人科で使われていました。しかし,その当時は腹腔鏡での産婦人科的疾患の確定診断のためのテクニックだったのです。たとえば,子宮外妊娠,子宮内膜症,不妊症,卵管の疾患,卵巣腫瘍,子宮奇形を術者が眼でみて確かめるといった診断のための技術だったのです。
ところが,マイクロサージァリーといって,小さいメスや縫合手技が開発され,拡大鏡も取りつけられて,この腹腔鏡の技術は非常に発展を遂げました。今日では,単に診断のみの技術ではなしに,診断もしながら治療も同時に行なうという方向に発展してきています。産婦人科領域でも,卵巣嚢腫をこの方式によって切除したり,卵管の癒着をはがして妊娠しやすくしたり,子宮内膜症でできた小さな血腫を治療したり,卵管結紮術を実施したりと,いろいろと応用されるようになりました。
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