特別寄稿
見つめよう母子保健政策のゆくえ—「地域保健の総合的な見直し」
平澤 美恵子
1
1日本赤十字看護大学
pp.501-506
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611901042
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今般,地域保健体系の構築を目指したこれからの地域保健の改革方策の大枠が,厚生省健康政策局より示された(図1)。これは,公衆衛生審議会総合部会が「地域保健の総合的な見直し」の検討を地域保健基本問題研究会に依頼し,その結果1993(平成5)年7月9日に具申された報告書に基づいて立てられた方策である。
地域保健の総合的な見直しをするための手順や研究報告書は,『公衆衛生情報』,『公衆衛生』,『保健婦雑誌』や他の文献にも具体的に示されているが1〜3),本稿ではまずその検討経緯と総合的な見直しの要旨を紹介したい。そのうえで,母子保健の基盤がこの見直しに即して市町村に委譲された場合に,地域に根ざした母子保健活動を担う助産婦がどのような役割を具体的にとっていったらよいのか,現状の問題点を指摘しながら,今後に向けてのあり方の試案を述べる。
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