トピックス
地域保健の見直しを考える
大原 啓志
1
Hiroshi OHARA
1
1高知医科大学・公衆衛生学
pp.574-576
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900865
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●はじめに
地域保健のあり方に関する論議が注目されている.厚生省による見直し提起を直接のきっかけとしているが,見直しの必要性については異論がないだろう.
地域保健については,本来,医療や福祉を含め住民の健康に関連する諸分野を包含したものとして,地域を基盤としたあり方を検討すべきである.しかし,わが国では,厚生省が所管し地方自治体の行政として行われてきた活動が地域保健と呼ばれ,この場合は,基本的に学校や職域に対する保健活動は除かれている.今回の論議もその立場に立っているようにみえるが,この視点からは,これまでも保健所のあり方を中心とした検討が行われ,報告書や提言が出されてきた.それらを検討した上で私見を述べるべきであるが,ここでは,日頃感じていることを,高知県における従来の検討で,地域保健における“間接的機能”として重視してきた評価・計画・調整等の機能を中心として述べてみたい.
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