特集 今,産む人の感覚
お産をはじめて考える
佐武 雅子
pp.23-30
発行日 1993年1月25日
Published Date 1993/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900724
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はじめに
現代の女性にとって,お産は生涯で初めて体験する「自然」との出会いだろう。この「自然」は,最後の最後までどうなるかわからない不安を女性にいだかせる。この不安を取り除くために,ほとんどの女性が病院でのお産を希望する。私もそのひとりだった。病院で産むということで安心を手に入れようとした。
しかし結果は,日常見ることのない医療器具や大げさな器械に囲まれ,医療者の無責任な態度に出会い,病院のお産で私は恐怖の感覚を味わった。自然なお産ができなかったばかりか,人工的な医療介入によって,かえって私は強い不安を持った。
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