特集 母子感染—最新知見と対応
ヘルペスウイルス
川名 尚
1
1東京大学医学部産科婦人科学
pp.989-995
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900450
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はじめに
単純ヘルペスウイルスの感染によって発症する新生児ヘルペスは,大変予後が悪く,また,最近,増加の傾向にあることが判明し,注目されるようになった。単純ヘルペスウイルスは,単にヘルペスウイルスとも呼ばれている。このウイルスは,人類にあまねく感染し,感染する部位も脳・眼・口・皮膚・性器と多様である。成人の場合と違って,新生児では全身感染となることが多く,したがってその致命率も高い。
妊娠中の感染によって胎児に影響を与える疾患の代表的なものの頭文字をとってTORCHとしてまとめられているが,Hはヘルペスウイルスであり,母児感染という立場からも重要視されている。
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