連載 気功の精神世界・14
呼吸について その1
津村 喬
1
1関西気功協会
pp.550-551
発行日 1990年6月25日
Published Date 1990/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900121
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気功という言葉は,以前は英語ではブレシングと訳されることが多かったのですが,今ではそのままチーゴンという中国語の音のまま使われています。気に当たるぴったりした言葉がないので,呼吸によって気を出し入れするのだと説明するのが簡単だったのでしょう。しかし呼吸法は気功の技法のごく一部であって,気功を代表するものではありません。気功の本質的な特徴からすれば,「入静法」と呼んでもかまいません。その入静に至る手段のひとつに,呼吸のコントロールがあるというわけです。
じっさい,気功教室で習う気功の大部分は「自然呼吸」つまり呼吸を意識せずからだにまかせるというやりかたでします。それは,初心者にとってはリラックスが最大の課題なので,からだと心をうまくリラックスさせていくことに慣れないうちに呼吸を意識すると,かえって非常に緊張してしまってうまくいかない場合があるからです。
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