特集 避妊指導
ホルモン避妊法に関する最近の動向
河村 栄一
1
,
矢内原 巧
1
1昭和大学医学部産科婦人科学教室
pp.120-124
発行日 1990年2月25日
Published Date 1990/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900028
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はじめに
妊娠時には体内で黄体ホルモン(プロゲステロンprogesterone)が大量に分泌されていることから,プロゲストーゲンprogestogen(プロゲステロン様作用を有する物質)を投与すれば排卵が抑制され,避妊効果があるのではないかとの発想のもとに1951年以来研究が進められ,1960年世界最初の経口避妊薬(ピル,oral contraceptives:OC)としてエナビッド10が米国食品薬品庁(FDA)より認可された。以来すでに四半世紀が過ぎ,現在全世界でピルを使用している人は6000万人ともいわれている。
わが国はピルが正式に認可されていない唯一の国であるため,その利用率は米国32.8%(1976年)と比べ6.7%(1984年)と低く,この方面の研究開発や普及が著しく遅れている。
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