助産婦の誇りとともに70年 岡本マスエ先生

　明治30年，祖父も父も医者という家庭に岡本マスエ先生は生まれ，今年93歳になられる．23歳のとき，故郷の徳島から大阪へ来られ，産婆の助手となってこの道に入られた．

　お産がすべて家庭で行なわれていた頃には，昼食がわりの焼きいもをふところに，1日中自転車で産婦の家を回り，最も忙しかった戦後のベビーブームの頃には，1ヵ月に60人のお産を取りあげたという．