クローズアップ
座位分娩9年め,産婦と同じ目の高さでケアをする 永井病院の医療スタッフ
八木 保
,
本誌
pp.611
発行日 1989年8月25日
Published Date 1989/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207663
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向仁会永井病院(宮城県仙台市,37床)が,座位分娩を始めて9年めになる.今では全国で100を超す施設が座位分娩を中心にすえているが,その先鞭をつけた一人が永井宏院長である.現在,年間約350例の分娩すべてに座位を用いている.
座位分娩とは,単に分娩椅子に座って産むことだけを意味するのではない.永井病院では,分娩第1期に無線のテレメーター(写真手前)で胎児モニタリングを行なうため,産婦は院内を歩行するなど自由に行動できる.歩行は自然な陣痛を促進する一方,産痛緩和の効果をもたらしてくれる.胎児の重力が働いて分娩進行は比較的速く,分娩椅子に実際に座る時間は30分〜1時間位だという.また,上半身が60度前後に起きているため,娩出時母親がその手で赤ちゃんを抱きあげることもできるのだ.
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