特集 がんを考える
女性のがんの成り立ち—特にライフサイクルからみて
河内 卓
1,2
1蕨保健所
2前・国立がんセンター研究所
pp.572-578
発行日 1989年7月25日
Published Date 1989/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207655
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男性と女性の違い
1.男性と女性
男性と女性は違う。まず第一次性徴が違う。男性には精巣,女性には卵巣があり,外生殖器も違う。しかし,幼児期,少年期は男子,女子の外見上の違いはあまり大きくない。精巣,卵巣が発育してホルモンの分泌が始まると男は男らしく,女は女らしくなる。第二次性徴である。身体的な違いもあるが,精神的,社会的な違い,日常生活行動,食生活,嗜好品などにも違いが生まれてくる。
男性と女性の違いは性染色体でおこる。ヒトの染色体は46本で,44本の常染色体に,男性は2本の性染色体XY,女性は2本の性染色体XXをもっている。44本の常染色体とその働きに男性,女性の違いはない。男性,女性が共通にもっている性染色体Xにも違いはない。男性のもっている性染色体Yだけが男性と女性の違いの源になる。
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