特集 私の新人時代--助走から跳躍へ
私にとって大切だった3年目の経験より—つらさをのり越えて
大平 ひかり
1
1岡山大学医学部附属病院産科病棟
pp.283-287
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207594
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私が,助産婦として就職してはや6年が過ぎようとしています。助産婦学生時代は劣等生であり,周囲の人からは,箸にも棒にもかからないとみえたであろう私が,こうして無事仕事を続けてこられたのは,多くの妊産婦さん,婦長さんや先輩助産婦さん,医師,友人の支えがあったからこそだと,今さらながらに感謝の気持でいっぱいです。本当にさまざまな場面で,多くのことを学ばせていただいたと思います。
私が助産婦になろうと思ったのは,「産科は,死の場面が少なく,喜びとともに生を迎えられる場である」という単純な理由からでした。実際には,喜びの場面ばかりでなく,おめでたいはずの妊娠・出産が,突如として悲しい転帰を辿ることもあり,そういった場面に出会ったり,また,いろいろな人との人間関係に悩んだりした時,「助産婦をやめたい」と思うことも度々ありました。しかし,助産婦を続けてきたからこそできた多くの貴重な経験や学びもあります。
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