研究・調査・報告
同一妊婦における胎動感の継続的観察
奥村 智代
1
1元:聖母病院分娩室
pp.914-919
発行日 1988年11月25日
Published Date 1988/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207506
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はじめに
胎動についての研究は以前からなされているが,臨床的には胎動は妊娠確徴の1つであり,胎動初覚日を妊娠週数補正の有力な手段として利用しているにすぎなかった。胎動を妊婦自身が自覚するのは妊娠16週から18週で,一般的には妊娠28週から29週頃に胎動を多く感じ,妊娠後半期にはいると減少するといわれている。
近年超音波断層法の発達によって,胎動の意義が注目されている。胎動は胎児の神経系の発育・成熟と関係していること,胎児心拍数の一過性頻脈を伴うことが多く,その場合,胎児はwell beingと考えられること,胎動数の減少は胎児死亡の前徴であったり,分娩が接近することなどを示している1),と報告されている。
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