研究・調査・報告
よりよい連携をめざした周産期診療のハイリスク胎児情報連絡の実際
宮中 文子
1
1京都府立医科大学附属病院周産期診療部NICU
pp.334-339
発行日 1988年4月25日
Published Date 1988/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207364
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はじめに
少産少死の時代といわれる現在,将来を託す子供たちは,すべて健やかに育つことが期待されている。そして,母親が心身とも健康な生活ができるようになるため,医療にはきめの細かい周産期の母児管理が求められている。そのため,周産期医療構想1)が全国で実施されつつあり,当周産期診療部も昭和57年に開設された。周産期医療の特質は胎児期から新生児期を継続して一貫したケアをするため,産婦人科・小児科の枠をこえて産科新生児科ともいえるチーム医療を行なうことにある。新生児が異常をもって生まれないよう,妊婦が未熟児を産まないように,胎児期においてハイリスク因子を早期発見すること,分娩時の母児管理,出生後の早期治療が行なえる周産期医療の方が,後障害なき生存を計るのに有効である。
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