愛子さんの助産術ノウハウ・11
臍帯の診断と切断
長井 博
pp.160-161
発行日 1988年2月25日
Published Date 1988/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207325
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母親と祖母の時代には
アイヌ語では臍のことをhankhu,臍帯をehanumatという。e-それ,ha-臍,numat-結び紐と分解されるのではないだろうか。
青木愛子さんの時代には,臍帯の結紮に白と黒の木綿糸をeka(撚り合わせる)したものを使用したが,彼女の母親の時代にはツルウメモドキ(haipunkar)の蔓の内皮で作った糸であった。
内皮をたてに裂くと,6〜9cmほどの長さの糸ができる。その糸をそのままの長さで撚って,結紮に使用した。そうすると結紮の後に糸を切らなくてもよい長さになるので,便利であったという。愛子さんも,母親が生前にこの糸をたくさん作ってあったので,使いきるまでは使用していたという。
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