診療室
分娩時臍帯処置の新経験(臍帯切断放置法と假稱す)
塚本 胖
1,2
1松下電器健康保険組合
2松下病院産婦人科
pp.583-584
発行日 1955年5月10日
Published Date 1955/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409201195
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まえがき
従来分娩時臍帯の処置は,習慣的にその搏動停止後胎児側及び胎盤側を結紮止血し,その中間で切断する方法が行われ,結紮部位並びに切断端の長さ等については種々の変法がある。たとえ結紮法でも,結紮糸の弛緩から時に新生児の臍出血をみることもあるが,娩出後第1呼吸の開始により新生児体内血流に変化が起り,下血大動脈の血圧は低下し,併せて臍輪部腹筋の緊張により臍帯動脈の血行は停止すると,いわれ,搏動停止後の切断では臍帯動脈からの出血はは考えられず,唯臍帯静脈からの逆流出血が予想されるが,少数例ではあるが実験的に結紮せずに切断放置する方法(臍帯切断放置法と仮称す。)を試みたので,その概略を報告する。
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