特別寄稿
産婆の実践活動と歩みから学ぶこと(3)—大正・昭和前半期に活躍した産婆への聞き取り調査を通して
高岡 スミ子
1
,
古崎 すみえ
2
1福井県保健婦助産婦看護婦協会
2福井県立短期大学看護科
pp.589-593
発行日 1987年7月25日
Published Date 1987/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611207177
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6.産婆になるためには
産婆になるために,当時はどのような学習をしたのだろうか。3人の産婆—大坂たか,坪田滋子,丸岡しげの語りから,その辺の事情を探ってみたい。
大坂たか:明治32年5月生まれ。今立郡今立町粟田部在住。粟田部には羽二重の織物工場が多く,昔から栄えた村である。村の医師の指導を受けながら独学で産婆の資格を得,48年間産婆を続けた。現在,床に伏せながらも創作活動を続け,世の中を厳しく批判している大変意気さかんな産婆であった。産婆の仕事を通じて得た自然な生き方を身をもって頑固に示している人である。
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