特集 国際衛生
われわれの行なってきた海外医療協力—JOCS 9年の歩み
佐藤 智
1
1日本キリスト教海外医療協力会
pp.224-227
発行日 1969年4月15日
Published Date 1969/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401203858
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まえがき
"古切手を集めて,ネパールへBCGを!"という運動や,ネパールの子供を養女にして,ヒマラヤ山麓で結核と闘っている公衆衛生医岩村夫妻のことは,ご存知の方もおられるだろう.彼のみならず,何人かの医師とその家族を民間団体として支え,インドネシア,台湾,ナイジェリアへ派遣しているのが,私たち(社団法人日本キリスト教海外医療協力会会員たち—以下JOCSという—)である.
この仕事は始めてからまだ9年である.日本の民間の善意のお金で,キリスト教の信仰をもつ医療従事者(日本キリスト者医科連盟に連なる者たち)を,医療に恵まれない海外諸国へ派遣し,また,留学生を招きその国の医療水準の向上に協力することを目的としている.外地に日の丸の旗やキリスト教の旗をたてた病院を作るというのではなく,それらの国の人たちが自分たちの力で立ち,自ら健康を勝ち取るように助け,協力するということである.
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