特集 夫立ち会い分娩
お産と流行
我妻 堯
1
1国立病院医療センター産婦人科
pp.662-667
発行日 1986年8月25日
Published Date 1986/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206932
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
過去30年間に助産学における診断法や治療方針は大きな変化を示した。その中には,他の医学の分野におけると同じように,最近の科学技術の進歩に支持された新しい診断法や治療技術が大部分を占めているのは当然のことである。医療機器や薬剤の発達・進歩のおかげで,著者が学生時代には想像もつかなかったことが可能になった。これらの変化は科学の進歩に伴う,いわば必然的な変遷と見なし得るであろう。
しかし一方で,助産学の中には,このような必然性を伴わない,いわば時の流れに従う流行ともいうべき現象が起こっていることも事実である。他の医学の分野ではこのような流行現象はあまり見られないから,助産学あるいは産科学独自のものではないかと思われる。本稿はこの流行現象の1つをとり上げて批判するのが目的である。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.