特別企画 お産と出会う
[対談]
お産と出会う
吉村 典子
1
,
岡本 喜代子
2
1呉女子短期大学
2大阪府立助産婦学院
pp.370-377
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206871
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『お産と出会う』から受けたショック
岡本 今日は「お産と出会う」の著者の吉村さんにお目にかかれるというので,かなり興奮して出かけてきました。「お産と出会う」を読ませていただいて,いろいろな意味で感動しましたが,一方,産科医療にかかわる私たち助産婦に対するきびしい警告の書とも受けとめました。この本は,ドクターにももちろん読んでいただきたいとは思いますが,助産婦にまず読んでもらいたいなと思っています。
この本の前半は,吉村さんが3人のお子さんを産んだときのこ体験を現在からふり返って,産科医療の問題とご自分自身の問題に対し分析を加えていらっしゃいますが,確かに昭和40年代というのは,産科医療の現場では進め進めで人工的な介入がもっともなされていた時期だったんですね。産婦の心理面への意識的な配慮はほとんどなされていなかったような時代でした。お産とは産婦が自分で産むものという意識など,まったくといっていいほどみられませんでした。
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