Medical Scope
子宮内胎児輸血の進歩
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.635
発行日 1986年7月25日
Published Date 1986/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206926
- 有料閲覧
- 文献概要
子宮内胎児輸血intrauterine fetal transfusionは,Rh式血液型不適合妊娠による胎児溶血性疾患の治療に開発された胎児への外科的手術手技の最初のものとして,皆さんもその名称はよく記憶していることと思います。
生まれてから交換輸血をしても育たないような妊娠早期に重症な胎児溶血性疾患になってしまう症例は,ただ子宮内での胎児死亡を待たなければなりませんでした。それが,羊水中のビリルビンを測定することにより胎児の溶血性貧血の程度を知ることができ,胎児を人工早産にもっていって生後に交換輸血するか,子宮内での治療が必要かを考える時代になってきたのは,ついこの間のことでした。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.