増刊号 疾患・病態を理解する—尿沈渣レファレンスブック
Ⅶ 全身性疾患
黄疸
依光 大祐
1
,
佐々木 環
2
1川崎医科大学総合医療センター総合内科学1
2川崎医科大学腎臓・高血圧内科学
pp.560-561
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542201600
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病態
ビリルビンは脾臓で赤血球中のヘモグロビンから作られる(間接ビリルビン=非抱合型ビリルビンという).肝臓に運ばれ,肝細胞内でグルクロン酸と抱合されて水溶性の直接ビリルビン(抱合型ビリルビン)となる.直接ビリルビンは胆汁中に排泄されて,胆汁酸とともに十二指腸に流入する.そして,腸内細菌によってウロビリノーゲンに分解される.ウロビリノーゲンの多くは,酸化されてステルコビリンとなり便中に排泄される.便が黄褐色であるのはステルコビリンによるものである1).しかし,肝臓が何らかの原因で病的状態になると,全身倦怠感などの自覚症状が出現する.さらに血液中のビリルビンが増加して皮膚や眼球が黄染した状態,いわゆる黄疸を認めるようになる.
黄疸の原因は,①赤血球の破壊の亢進(溶血性黄疸),②肝細胞障害(肝細胞性黄疸),③胆管閉塞による腸管への通過障害(閉塞性黄疸),に分けられる.
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