ケースレポート
モヤモヤ病合併の妊娠・分娩の看護
漆川 和子
1
1神戸市立中央市民病院産科病棟
pp.408-414
発行日 1986年5月25日
Published Date 1986/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206876
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はじめに
本疾患は,脳血管撮影所見でモヤモヤした異常血管が見られることから,「モヤモヤ病」(鈴木)と名づけられ,今日では一般的名称となった。ウイルス輪を形成する主幹動脈に,狭窄ないし閉塞が見られる脳底部疾患である。しかし,脳血管腫のような脳圧亢進症状を呈さず,また脳動脈吻合とも異なるもので,最近,注目されるようになってきた。
脳血管撮影所見の特徴としては,脳底部のモヤモヤ血管像,両側内頸動脈サイフォン部付近の狭窄ないし閉塞像,多様な副血行路,前および中大脳動脈の正常像を認めないかまたは不完全,などである。本疾患の成因としては,先天奇形説と後天説とがあるが,まだ十分解明されていない。
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