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今月の話題
全身性血管内凝固(DIC)症候群と妊娠
Pregnacy-Related Disseminated Intravascular Coagulation (DIC)
Linda J. Mayberry
,
Amelia B. Forte
pp.136-141
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206818
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全身性血管内凝固(DIC)とは,凝固機構(フィブリン塊形成)や線溶機構(フィブリン塊溶解)が,血管または損傷組織の限局された部位ではなく,無秩序的・全身的に血管床内で作動して正常なホメオスタシスが崩れる症候群である(表1)。これらの機構が活性化すると,フィブリン塊が異常に多く形成され,続いて線溶系が活性化され(その結果としてフィブリン塊が溶解する),全身の血管系で抗凝固作用が亢進して多量のフィブリン分解産物が放出されるため,凝固因子が大量に消費されることになる1)。
それらの機構の亢進の度合いによって程度は異なるが,種々の臓器でフィブリン塊によって微小循環系が閉塞され,出血ないし出血傾向が現われる。それに続いて,臓器不全による尿生成の減少,血液の酸素化の障害,肝臓による蛋白合成作用や解毒作用の低下,副腎によるステロイドホルモンやエピネフリンの産生・放出量の減少といった様々な問題が出現してくる2)。
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