特集 母子の継続看護を実現するために
プライマリー・ナーシングは「方法」か「理念」か?
中西 睦子
1
1日本赤十字中央女子短期大学
pp.1018-1024
発行日 1985年12月25日
Published Date 1985/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206774
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はじめに
最近,わが国の病院においてもプライマリー・ナーシングに対する関心が高まっているという。筆者が最初,マンシイ(M. Manthey,1970)らのこの看護方式に関する論文を紹介したのは,すでに10年前の1975年であった。当時は,それは大変新鮮にみえた。体制や方法はいくらでもつくり出せると感じたからだった。けれども,それがわが国でも導入できるシステムなのかどうか,正直いって判断がしにくかった。そこには,導入のためのガイドとなるような情報が決定的に不足していた。
その後,1979年から1980年にかけて米国に滞在した際,プライマリー・ナーシングがこの国で予想外に発展しているのを知った。成書もかなり出回っていた。それらに目をとおし,さらにその後の2度めの滞米生活を終えて思うことは,プライマリー・ナーシングの日本における導入のむずかしさである。少なくとも,形式的な導入をさけたいと思うならば,そこには十分な手間ひまをかけると同時に,お金もかけなくてはなるまい。
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