分娩体験記
三森式ラマーズ法で自宅分娩にチャレンジ
矢島 ゆか子
1
1三森助産院
pp.970-975
発行日 1985年11月25日
Published Date 1985/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206761
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10年ぶりの妊娠
私が病院勤務から結婚,専業主婦,育児のコースを経て,再び助産婦として三森産院に勤め始めてもう4年になります。産むということ,取り上げるということが,こんなにすばらしいものだったのかと認識を新たにしたのは助産院で働くようになってからでした。そして日頃,三森式呼吸法を指導したり分娩の介助をしながら,自分自身ではもう産むことはないが,助産婦として呼吸法と自宅出産を経験したかったと思い続けてきました。このことは病院にいては考えもしなかったことでしょう。
ところが,昨年,私自身が図らずも10年半ぶりに妊娠してしまったのです。少し高齢ですが,自分にとって最高のチャンス到来となりました。家族にも,これから一員となる小さな家族を,直接,一緒に迎えてほしいという願いが強く湧いてきて,そのことも今回の妊娠を積極的に受け入れた理由となりました。私は今回の妊娠,出産,育児を通じて,あらためて自然に産み,自然に育て,自然に生きることの大切さを感じざるをえませんでした。ラマーズの呼吸法と自宅出産を実際に体験したことは,今後,私が助産婦として生きる上で大きな力となってくれそうですし,そうする決意でいます。妊産婦さんにも今までと一味違った援助の提供もできそうです。ここで私の体験したラマーズ法,自宅分娩,母乳育児などについてふり返ってみることにします。
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