特集 "性"への援助
助産婦のかかわり
私にとっての[性への援助」
中村 京子
1
1聖マリアンナ医科大学病院産科病棟
pp.383-386
発行日 1985年5月25日
Published Date 1985/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206641
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
助産婦は,直接的にまたは間接的に「性の問題」を避けては通れない場面に数多く出会っている。私も日頃から,性を大切に考えたいと思ってきた。
久保1)は「人間を看護することを任じる場合,"性"の問題を抜きにしてはならないこと,それは"人間を人間たらしめているものを抜きにしている"ことになるのだということを,私たちは,なぜかそう深くは考えていないように思う」と述べている。さらに,多くの人が,看護者が性の問題を語り合うことができないのは,第一に日本の風土と歴史がその環境を作らなかったのであり,第二に看護教育の中で,知識としての性は教わっていても,人間の営みの中の性については誰からも教えられていないからである,と言っている。性について話すことは,差恥心を伴うことでもある。しかし,看護者がいつまでも性について考えることを避けていては,より良い看護はできないことになる。
Copyright © 1985, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.