特別寄稿
国際心身産科婦人科学会に出席して
堀口 文
1
1獨協医科大学産婦人科
pp.298-303
発行日 1984年4月25日
Published Date 1984/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206429
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ダブリンで開催,国際心身産科婦人科学会
アイルランドの首都ダブリンにおきまして昭和58年9月11日から15日までの5日間,第7回国際心身産科婦人科学会が開催されました。この学会は3年ごとの開催で,日本からも参加があり4つの演題が発表されました。この国際心身産科婦人科学会は日本ではあまり馴染みがないようですので,ご紹介したいと思います。
産婦人科方面の心身症については,すでに環境性無月経や更年期障害などでご存知のことと存じますが,世界大戦によって戦場では兵士が,また戦場にならなかったところでも多くの人たちが心の病にかかりました。不安,心配,精神的葛藤などにより,器質的疾患がないにもかかわらず,その存在を疑わせるような自覚症状を訴えるのでした。このことはドイツやアメリカを中心に心理学を発達させ,また,心理的理由により多くの器質的疾患にまで発展させることもわかったのでした。たとえば胃潰瘍などもそうですね。
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