My Point of View
母乳栄養確立のための提言—特に人工乳サンプル無料配布の問題点について
関 修一郎
1
,
大谷 八峯
1
,
尾崎 明
1
1厚生省児童家庭局母子衛生課
pp.871
発行日 1983年10月25日
Published Date 1983/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206329
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■生後1〜2か月の母乳哺育は50%未満
母乳栄養の重要性について,特に新生児期におけるそれについては,いまさら論をまたない。厚生省も含め,いろいろな形の母乳推進運動が展開されており,妊産婦の意識レベルはきわめて高いと思われるが,わが国における最近の母乳栄養の実態はそれほど芳しいものではない。生後1〜2か月の段階で,完全に母乳のみで哺育している割合は50%にもみたない。30%台に落ちこんだ頃よりある程度回復しているとはいえ,昭和35年の68%にもみたずきわめて憂慮すべき数字である。
関係各位におかれては,母乳栄養の普及に関して日夜ご努力いただいているところであるが,まだいくつか問題が残っているようである。その一つが人工乳サンプルの無料配布である。
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