連載 ペリネータルケア・10
新生児の蘇生[1]—新生児仮死の病態生理
竹内 徹
1
,
横尾 京子
2
1大阪府立母子保健総合医療センター
2大阪府立母子保健総合医療センター周産期2部
pp.797-800
発行日 1983年10月25日
Published Date 1983/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206317
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新生児仮死については,古くは青色仮死(asphyxialivida,第1度仮死)と白色仮死(asphyxia pallida,第2度仮死)として,出生直後の児の全身色をみてすぐ仮死の程度を判断する方法がとられていた.Apgar女史の得点表(表1)が,出生直後の新生児のバイタルサインないし行動評価にはより客観的であり,一般化したため,ほとんど以前のような判断法は得点数の影にかくされてしまって,実際の状況を活き活きと伝えてくれないことがよくある(図1).また実際に判定するときは,たとえ短い時間の経過後でもあくまでretrospectiveな判断となってしまうので十分注意しなければならない.
今回は動物実験モデルによって,仮死の背景を解説し,刻々と変化していく生後の数分間,数10分間の病態を理解するうえに参考となるいくつかの点を強調する.
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