母子衛生統計
低体重児の出生届
中原 俊隆
1
1厚生省児童家庭局母子衛生課
pp.390
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205230
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母子保健法第18条には,低体重児の出生届出が規定されている。すなわち,体重が2,500グラム以下の乳児が出生したときは,その保護者は,すみやかに,その旨をその乳児の現在地の保健所へ届け出るよう定められている。
身体の発育が未熟のまま出生した乳児,すなわち未熟児は,一般に,正常の新生児にくらべて生理的に種々の欠陥があり,疾病にもかかりやすく,その死亡率はきわめて高いので,出生後すみやかに適切な処置をとる必要がある。しかしながら,新生児が未熟児であるかどうかの判断は必ずしも明確ではないので,体重によって一応それを推定し,体重が2,500グラム以下であればすみやかに届出を行なうよう定められている。2,500グラム以下の低体重児は、必ずしもそのすべてが「未熟」であるというわけではなかろうが,体重が低ければ未熟児である可能性が高いこと,WHOは出生児体重2,500グラム以下の生児を低出生体重児と定義し,未熟児の一応の基準としていること,などにより届出の基準とされたものである。
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