トピックス
妊婦の喫煙と児への障害
広井 正彦
1
1山形大学産科婦人科
pp.762
発行日 1975年10月10日
Published Date 1975/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409205239
- 有料閲覧
- 文献概要
ここ数年来,環境衛生思想の普及とともに喫煙と健康の問題が大きな関心事になつている。とくに喫煙婦人には肺癌はもとより慢性気管支炎,肺気腫,狭心症,脳血栓症などが非喫煙者に比して多くみられ,中でもタバコを1日25本以上吸い,さらに経口避妊薬を服用していると,血栓症の危険がさらに高まると警告されている1)。
一方,妊娠中の母親の喫煙が胎児自身にも著明な障害を与えると考えられ,アメリカの癌協会と国立癌研究所の主催による喫煙と健康に関する国際会議での報告によると,アメリカ国内での年間87,000の周産期児死亡のうち,4,600例が妊娠中の母親の喫煙による死亡であると推察され,イギリスでも18,000の周産期死亡の1,500例が喫煙によると推定されている。
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.