連載 ペリネータルケア・3
周産期生理学の進歩—特に胎児・新生児の呼吸・循環適応異常を理解するために
竹内 徹
1
,
横尾 京子
2
1大阪府立母子保健総合医療センター
2大阪府立母子保健総合医療センター周産期2部
pp.173-176
発行日 1983年3月25日
Published Date 1983/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611206190
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過去10数年間に進歩してきた新生児医療は,新生児生理学の進歩に負うところが多い.また最近の周産期医学も,胎児・新生児生理学の多くの知見によって,医療の内容が拡大され変貌してきたことはいうまでもない.特に母児相関(feto-maternal interaction)という立場から,胎児の胎外生活がいつ頃から可能になるか,また子宮内環境でも各臓器が総合的に機能し,個体として自律性(autonomy)を持つようになるのはいつ頃か,という問題が討論されるようになってきた.
現在,周産期医療のなかでも,特に呼吸・循環器系の進歩した管理方式によって,生残率が著しく向上したことはいうまでもない.したがって,今回は周産期生理学のうちでも,特に分娩前後の時期に焦点をあて,呼吸・循環系の適応に関する問題をトピックス的に取りあげようと思う.なおその他の点については,各論を述べる際に,随所に生理学的背景を取りあげ,理解が深められるよう努力するつもりである.
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